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2021/05/24 22:02

この写真は2018年夏のウニ漁風景。
ドローンで撮影したものです。

ウニ漁が行なわれるのは毎年5月下旬〜8月上旬。春にそだった海藻を食べることで、この時期になるとウニの実入りがよくなります。つまり
ウニの身は、海藻あってのものなんです。この写真でも、海の中で黒々とコンブ・ワカメ等の海藻が育っているのがご覧になれると思います。

漁師の腕のみせどころは、綾里の言葉でいうところの「おがった」(育った)ウニを狙ってとること。

ウニは、殻が大きいわりに、割ってみると中身がスカスカ・・・ということもあります。
1回の漁で漁師が水揚げできるウニの漁は、2カゴ、というふうに水産資源保護のための規制がありますから、かぎられた漁獲のなかでの歩留まり、つまり実の詰まったウニの割合高く採れるかどうかが大事になるのです。

ウニ漁にかかる漁師たちは、長年の経験や勘をたよりに、ここだというポイントを狙います。
「あすこの場所が意外といんだでば。」
「なーに、このまえは殻ばかりでかくて中身ねがった。」
ウニ漁は漁師同士の情報戦。
明日が口開け日(解禁日)ともなれば、どこで漁をするのか漁家の会話も弾みます。

そして当日は、日の出とともにヨーイドンで沖にでて漁を始めるのです。
船の上では、水の中をのぞき見る「箱メガネ」で海底をにらみ、長い竿で海底10m以上もの底にいるウニをひっかけてとります。
(何時間もこの姿勢をとるのは相当な腰の負担になりそうですね…)

ウニ漁には、水揚げ量の制限以外にも、時間の制限もあります。
沖にでてウニをとり、殻をむいた後、12時までに漁協指定の集荷場へ持っていかなければ買取されません。
限られた時間で、効率よく。
とったウニは、カネになる。
アドレナリン全開で漁師はウニ漁をするそうです。

しかし海底ばかりに意識をむけていると、波に気づかず岩場に激突してしまうこともあります。
ご覧のとおりウニ漁は、小さな船で操業しますから、岩にぶつかればアッという間に転覆します。

漁師が高齢化し平均年齢60歳といわれる昨今、操業の安全管理は以前にもまして配慮が必要です。
そのため、口開け日の決定には天候への十分な検討がされています。

南風が吹けば荒れる湾もあれば、東風で荒れる湾もあります。
日の出直後は穏やかでも、あとから荒れることもあります。
雨が降って水が濁ってしまえば、ウニが満足にとれず、組合員から「なんでこんな日に開けた!」とブーイングが・・・。

口開けの決定をする担当者は、悩みに悩んでジャッジをすることになるのです。

このように「口開け日」ひとつとっても、漁業の世界は実に複雑。
皆さんにはウニの美味しさだけではなく、こうした漁業の世界の裏側も、少しずつお届けしたいと思い「綾里漁協オンライン」を立ち上げた次第です。


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